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【今、頑張っていること、14年後に芽が出ることもある】

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ありませんか?今、頑張っていること。
なのに、何のために頑張っているのか、不思議に思うこと。
私も多々あります。
しかし、月並みな、白々しい表現かも知れませんが、今、頑張っていることは、すぐに成果がでなくても中長期で結果につながることを、身をもって感じます。

一例を挙げさせて頂きますと、、



2007年夏、我々バンド、ないあがらせっとの曲を作りました。
そう、あれは海水浴中、灼熱の太陽の下、海にプカプカ浮かんでいるときに、その情景が気持ちよく、メロディーと歌詞がまとめて湧いてきたので、バタバタ、海から上がり、持参していたレコーダーにアイデアを吹き込みました。(当時はスマホなどなく、メモ用のデジタルレコーダーを持ちまわっていました)
それを家に持ち帰り、傑作になることを確信し、徹底的に、オケの制作、歌詞・メロの制作を行い、そしてレコーディングから、緻密なミックスをしたのを今でも良く覚えています。特にミックスには時間と労力を惜しまず、注力しました。

この時、バンドは何のリリースの予定もなく、ましてや、空中分解に近く、私自身もバンドより、音楽作家の道へシフトチェンジしているところでした。

この曲、こんなに力を入れているが、近い成果は望めない。何のために頑張って切るのか?趣味か?使命感か?使命感だけではメシも脚光も得ることは出来ない。
まあ、いいや、悔いが残らないよう、完璧に仕上げよう、ということで、1曲のためにまる1ヶ月費やしました。

1ヶ月かけて作った、我ながらの名曲。しかし、これが何になるのか?

疑問だけがのこった。



2021年の初夏、私の車が故障し、家内の軽自動車ミラに乗る機会があった。
CDトレイではドリカムが鳴っていたので、他に、何か良いアルバムはないかな?と思い、CDケースをぱらぱらとめくっていた。その中で目にしたのが「ないあがらせっと未発表曲集」たるCDRであった。 私は鼻で笑い、ま、聴いてみっか!とういう軽いノリでカーオーディオにそれを挿入した。鳴ったのは、そう、当時からみて14年前につくった、あの海を感じて作った名作、「グッドサマー」であった。あれ、これ意外に良いぞ?せっかくなので静止YouTubeにして、関係者にメールで暑中見舞いとして送ってみるかあ、とウキウキしながら進めていった。



各音楽関係者に、「グッドサマー」の静止画YouTubeと簡単な挨拶文を張り付け、ショートメールやLINEで送った。
一番最初に強い反響があったのは、以前よりお付き合いのある、サニーデイサービスの曽我部恵一氏からであった。ぼんやりベスト盤を作ろうと思っていた矢先、その旨も曽我部氏につたえると、これメッチャ良いから、ベスト盤、いやアンソロジーみたいにして世にだそうよ!と連絡があった。驚いたことに、メールを送ってから4時間後に、曽我部氏直々に描き上げたイメージジャケイラストが送ってきた。おお、この人本気だな、と痛感した。

曽我部恵一氏が4時間後に送ってきたイラスト

バンド活動=ないあがらせっとをいったん捨てた私であるが、あれよあれよという形で、初回限定テープ、のち、アンソロジーLP盤のリリースに至ったのだ。バンドにとって、私にとって、レコードでリリースすることは初であり、正直すごく嬉しかった。

その時に思ったのである。
なるほど、あの時(2007年の夏)に、なんのあてもなく頑張った成果が、14年越しに大きな実をつけ、満開したのであった。

ないあがらせっとアンソロジー盤

まことに月並みな言い方であるが、丹精込めて頑張ったことは、決して裏切らない。
こうして、タイムラグはあるにせよ、花を開くこともあるのだ。
このようなことは、他にも多々あったが、ここでは省略させていただく。
一番印象に残った「グッドサマー」=ないあがらせっとの復活劇であった。

曽我部氏が手掛けたこともあり、ネット版の音楽ニュースでも多々取り上げられ、LP盤は一週間たたずで完売した。それまで実に恥ずかしかった、過去のアルバムがAmazon等で中古にて100円、150円で売られていた中古版が、逆にプレニアになり、1枚8千円以上で売買されていた。口の悪い言い方だが、ざまあみろ!と感じたのであった。

どこかの専門学校のフレーズのようだが、「努力は必ず実る」を実感した例である。
上にも書いたが、あなたの努力は嘘をつかないのである。




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