私のバンド〚ないあがらせっと】について
今夜は私のバンド、「ないあがらせっと」について、ご紹介したいと思います。
我々、ないあがらせっとは、70年代フォーク、シティーポップをこよなく愛する『戸畑系』夕焼けバンドです。 2002年初めにベルウッドレコードより『NAIAGARA SET』で全国デビューしました。
その後、都内のタワーレコード全店の試聴機に入り、劇的な話題性を呼ぶバンドとなります。また、有難いことに、各方面からも注目を浴びることとなります。
同年、2ndアルバム『ホリデヰ』をリリースし、波に乗りかけましたが、2003年に入り活動を休止に入りました。
主犯格である私、中村は俳句活動、サウンドディレクターの冨永はDJ業に精を出し分離する形となりました。
2007年に一時復帰し、3枚目となるアルバム『Sound Of Garden』をリリースするものの、特に大きな活動はありませんでした。
2008年に活動を再開。メンバーを大きく入れ換え、精力的にライブ活動を開始します。
2009年4月にアルバム「POP CITY」のマスタリングを完成させ、
2010年秋、一度気まぐれ解散したようですが、2021年夏、何となく再結成しました。
曽我部恵一氏がわずか2時間で描き上げたジャケ写
きっかけは、軽自動車の中に眠っていた、「ないあがらせっと未発表曲集」とやらを見つけ、何となく聴いてみると、我ながら、良い作品集でした。特に、ローファイかつ極上のチルチューン「グッドサマー」が逸品で、関係者数名に聴かせると、サニーデイサービスの曽我部恵一氏が大変気に入り、曲を聴いた2時間後にシングル用のジャケットを作り上げ、送ってくれました。のち、同曲のテープ、過去の作品と未発表曲、新曲から構成される「ないあがらせっとアンソロジー」をLP、CD、配信で販売。LPはわずか5日間で完売しました。次作のオリジナルアルバムの音源は収録済みで、あとは、リリースをいつにするか検討している次第です。
数量限定カセット(販売終了)
~最後に曽我部恵一氏のコメント~
「ないあがらせっと」。とっくの昔にわすれちゃってたよ。リーダーの中村はぼくを下北の喫茶店に呼び出し「作曲家として頑張っていきたい」とか言ってたし。だからぼくは「ないあがらせっと」はもう空中分解してしまったんだろうなあ、と思ってた。「そういえば彼らはちょっといなたいシティポップをやってたから、今バンドがいたとしたら、彼らが活動した10数年前とはまた違う世間の評価があったんじゃないか」、なんてこと考えたりもしなかったんだ。そう、すっかり忘れてた。
そんな彼らから突然暑中見舞いが届いた2021年の夏。添付してあったのは「グッドサマー」と銘打たれたチルでローファイな極上のサマーチューン。「なにこれ?」とすぐさま返信し、今回のリリースに至った。中村が住む北九州へも会いに行った。夏のど真ん中。迎えてくれた中村はヨレヨレのペットサウンズのTシャツで首からタオルをかけてサンダルばきだった。彼は熱いコーヒーを淹れてくれ、ぼくらは汗だくになってコーヒーをすすりながらあれこれ喋った。
彼らが拠点とした北九州の戸畑区は海辺のなかなかタフそうな街だ。ないあがらせっとの独特の郷愁感や不良っぽさはこの土地にもヒントがあるんだろうなと思った。今のシティポップバンドは本当におしゃれで、こんな町にはいそうにない。でも、ぼくや彼らが愛したシティポップは実は当時日本の隅々にまで響いていたのだ。実際、ぼくが小学校のときに勉強を教わってた近所の大学生のお兄ちゃんは、四国の田舎町でカローラレビンに乗ってカーステで杏里をかけてた。そんなところにポップの真髄がある、と北九州を動こうとしない彼らは思ってる。のかもしれない。
北九州戸畑シティから愛を込めて。ないあがらせっとが、もう一度デビューします。
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