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【今日のコラム:学生時代の変な奴①】

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【今日のコラム:学生時代の変な奴①】

学生、主に小~高にかけて、クラスに1人や2人は変な奴がいなかっただろうか。

変な奴、とひと言でいっても分りづらいが、まあ、変な奴のことだ。
オタクっぽく、自分の世界から抜け出せないやつ、顔や言動がどことなく気持ち悪く、やること全てが裏目に出る奴、ヤンキーぽいが、ヤンキーになり切れていない奴、など、いわゆる「標準」ではない奴のことだ。


思い出せる限り、変な奴を紹介しよう。

■糸さん

3年間同じクラスだった糸さん。名前の通り(本名はもう少し長いのだが)、糸のように細く、勉強の成績はいつも良かった。高校時代は、なぜか、武道で「柔道」か「剣道」を選ばなくてはならなかった。私は剣道を選択し、糸さんも剣道を選択していた。クラスマッチたる行事があり、武道の部では、選択した科目で試合に臨まなくてはならなかった。

剣道では5人団体戦。私たちは英語クラスという進学クラスであった為、運動に関してはひ弱であった。よって、どちらかというと、このような行事は苦手としていた。剣道団体戦では、当然、出番が遅い方、いわゆる「大将」になるほど、リスクは高くなる。

ここは平等にじゃんけんで順番を選び、私はラッキーなことに2番目、かわいそうに、その糸さんが「大将」(5番目)になってしまった。ひ弱なチームなため、必ず大将まで回ってくるのは言うまでもない。相手はスポーツクラスで、皆、運動神経とパワーを備えたチームだ。


何故か、相手のトップバッターは、アメリカから留学できているブラントという大柄な男だ。日本の文化を習得するため、剣道でも初段(黒帯)を獲得していた。武道名も「武乱人」とかいて「ブラント」という恐ろしい異名を持っていた。もちろん、そのブラントに先方から副将まで、一人でやっつけられた。やっつけられただけならまだしも、何せ大柄でパワーがあるので、我々のダメージも大きかった。

次はこちらの大将、糸さん、だ。糸さんはこの期に及んで、辞退を申し出たが、もちろんスポーツマンシップ乗っ取り、あっさり却下された。それでも、闘いに渋っていたため、我々負けた4人は糸さんの背中を(物理的に)大きく押した。駆け足で決闘エリアに入ってしまった糸さんは、ふっきれたのか、「キョエー」という聞いたことがない奇声でブラントめがけて走って行った。ブラントは段こそもっているものの、日本語に慣れていないため「ドウ!(胴)」と気合の入った攻めことばを発した。

糸さんは瞬時に胴をまもるべく、変な体制で竹刀で胴を固めたが、ブラントの「胴」は実は「面」のことであったようで、無防備になった糸さんは、超ド級のパ羽で面(後頭部気味)を喰らい、その場でダウン、このダウンは本当に気を失い、倒れてしまい、救急車で運ばれた。



この話は当然話題になり、今でも笑い話の一つになっている。

今日は、そんな糸さんの話であった。

次回は、そうだな、「アカギ」の話をしよう。
お楽しみに

つづく


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