20年くらい前の話であっただろうか。
世間ではワールドカップの話題で持ち切りで、
日本の選手以外でも海外選手に注目が集まっていた。
その中でも技、外観美、どれをとってもナンバーワンであったのは、
あのベッカム(様)であった。
ベッカムは確かに、中距離からのシュートの確率もよく、ピンポイントのパスなどの、トリッキーな技に加え、何といってもハリウッドスターのようなカッコよさで著しく人気を集めていた。
当然であるが、世界、日本、ともにベッカムに憧れる人が多く、特に男子は、何とかベッカムに寄せようと、自分磨きをしていたのを思い出す。
ベッカムといえば、流行語(?)になった「ソフトモヒカン」という、当時では新しいヘアースタイルを世に知らしめた男だ。
ただのモヒカンはパンクロッカーを彷彿させるが、ソフトモヒカンは、スタイリッシュであるが、どことなくヤンチャな悪くも清潔なイメージが世の女子たちを魅了した。
よって、その当時は、大学のキャンパス内だけでなく、街中、そのソフトモヒカンに寄せた男子が多くみられた。が、まだ当時はカリスマ美容師という存在が数少なく、ベッカム様とまったく同じソフトモヒカンをした男子は残念ながら皆無であった。ああ、惜しいなあ、というような、なんともヘンテコなヘアースタイルをした男が大勢いた。彼らも、ベッカムに憧れたものの、イマイチなソフトモヒカンになったことを後悔していたであろう。
そんな中、街のある通りで、いわゆる「完璧」なソフトモヒカンを決め込んだ男をみつけた。彼は、サングラスを後ろにかけ、ショートパンツの裾から、しゃれたタトゥーをちらつかせる、そう典型的なモデルのような風貌であった。
他人事ではあるが、何だか私も気分が高揚し、ぜひ前からも彼のイケメンぶりをみたいと興奮し、彼の前に躍り出て、
彼の顔を確認したところ、、
「清原」だった。
つづく
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